▼安倍首相の才能は、いかほどか。衆院解散を表明したきのうの会見ではまず、こういう質問が出された。今回の解散には大義はないのではないか? 北朝鮮情勢が緊迫する中、選挙をしている場合ではないし、森友・加計問題の追及逃れではないか? そんな指摘に、どう答えるのか?
▼首相は答えた。「わが国の直面する最大の課題は少子高齢化であります。これを克服していくためには、社会保障制度を全世代型のものへと大きく転換をしなければなりません。時間の猶予はない。待ったなしであります…」
▼と、聞かれてもいないことを延々と説明し続け、疑惑隠し云々(うんぬん)について言及したのは、質問が何だったか忘れたころだったのだから、首相は実に「才能ある政治家」なのだろう
▼そもそも、国会でただすべき疑惑や論ずべき問題が多々あるとして、野党は憲法の規定にのっとり、臨時国会の早期召集を求めていた。だが、三カ月もたってようやく召集すると思ったら、開会と同時に解散させるというのだから、議会と憲法の重みを忘れてしまったかのようだ
▼私たちが今、政権に問うべきことは何か、忘れてしまってはならぬ「?」とは…。じっくりと見すえたい総選挙だ。
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