2022年2月5日土曜日

横井庄一さんカルテ公開へ

 

「体やせ細り」「亡霊の声」 横井庄一さんカルテ公開へ

2022年1月29日 05時00分 (1月29日 05時01分更新)
横井庄一さんの入院当時の状態を記したカルテ=CBC提供


横井庄一さんの入院当時の状態を記したカルテ=CBC提供

  • 夫の横井庄一さんのカルテを確認する美保子さん=京都市内(CBC提供)

 











終戦を知らず米グアム島で潜伏生活を続けた元日本兵の故横井庄一さん(一九一五〜九七年)=愛知県佐織村(現・愛西市)出身=が帰国して五十年となる二月二日、CBCテレビはドキュメンタリー番組「恥ずかしながら−帰国50年“横井さん”の真実−」を放送する。横井さんが帰国直後に入院した病院のカルテを公開する。 (花井康子)
 ジャングルに二十八年間潜伏した横井さんは、七二年二月二日に帰国。記者会見で「恥ずかしながら生きながらえておりました」と心情を語った後、国立東京第一病院(現・国立国際医療研究センター病院)に八十四日間入院した。横井さんについて取材を続けているCBCが妻美保子さん(94)の許可を得て、同病院からA4サイズで二百枚超のカルテを初めて入手。番組で一部を紹介する。
 診察は循環器科、眼科、精神科など多岐にわたり、知能検査や性格検査、聞き取り調査の内容もある。横井さんがソテツの実を主食に、カエルやトカゲなどの小動物やシカを捕り、加熱して食べていたという食事内容も記されている。
 「体はやせ細り、皮下脂肪が少ない」「ビタミンBが不足」「入院中に抜歯八本」など身体の状況のほか、「錯乱あり」「亡霊の声」など精神状態を表した言葉も。肉体的な強靱(きょうじん)さはなかった横井さんが生き延びた理由として、ヤシの実から油を取り、動物を捕まえる仕掛けを作るなどの知恵と器用さや、極限生活に耐えられる精神的素質を挙げている。
 横井さんが生前、「ジャングルではほとんど眠っていない」と語っていたことに着目し、カルテに焦点を絞って制作。番組中、睡眠中の脳波に関する脳神経内科医の意外な所見も明らかにされる。
 ナレーションを務めた元NHKアナウンサーの山根基世さん(73)は「横井さんが精神的に自分を制御しながら生き延びたことに、あらためて感じ入る」と話す。大園康志プロデューサー(55)は「カルテからは心を支配していたものが読み取れる。もう話を聞くことができない横井さんの人生を知ることが、平和を考えることにつながる」と力を込める。
 放送は午前九時五十五分から。放送後、CBCの公式ユーチューブなどで配信予定。

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